CPOとLTVは、通販で最も重要なキーワードだ。
CPOは”Cost Per Order”の略で、注文1件をとるために、必要となる費用である。
売上を獲得するたためには、何らかの販促が必要になる。
販促にかかる費用を注文件数で割った金額がCPOである。
商品原価を正確に把握していても、CPOについては無頓着な企業が多い。
計算して貰うと、大抵の場合はCPOの高さにショックを受ける。
WEBサイトを立ち上げれば、そこそこ売れるのではないかという幻想を持ちやすいが、ネット通販でコストがかかるのは立ち上げ後の販促である。
PPC広告を例に上げて説明すると、CPOの算出方法は以下の通りだ。
・PPC広告:30,000円
・注文件数:6件
・CPO:5,000円
もしくは、
・クリック単価:50円
・コンバージョン率:1.0%
・CPO:5,000円
この場合、CPO = クリック単価 ÷ コンバージョン率 となる。
もし、PPC広告の対象商品が利益率50%、上代2,000円のマグカップだとしたら、4,000円の赤字である。(ここでは、送料や作業コスト等は考慮していない)
しかし、このPPC広告は失敗かといえばそうではない。2,000円のマグカップを買ってくれた顧客が御社のファンになり、次は自ら御社のWEBサイトにアクセスして、粗利益額30,000円のダイニングテーブルを買ってくれたとしたら、初回の投資は回収できる。
このように、顧客が企業やブランドにもたらす利益の累計額をLTVという。LTVは”Life Time Value”の略で、顧客生涯価値とも言う。
ネット通販を始めると集客策に気を取られがちだが、一度商品を購入したお客に、繰り返し購入してもらうための「リピート促進策」がなければ事業利益は増加しない。
2018年04月28日
通販事業の成否を分ける「CPO」と「LTV」
posted by 難波治彦 at 22:33| Comment(0)
| コラム
2018年04月09日
その商品はあと何年稼げるか?

商品には寿命がある。大量の注文書でFAX機が悲鳴を上げる商品であっても、いずれは市場から退場する時がくる。
商品が市場に登場し、撤退するまでの「プロダクトライフサイクル」は、著しく短くなっている。
中小企業庁によると、1970年代はヒット商品の約6割が、5年以上企業に利益をもたらしていた。
ちなみに当時のヒット商品には、日清食品の「カップヌードル」やソニーの「ウォークマン(カセットテープ)」がある。
しかし2000年代になると、5年以上市場に君臨する商品はヒット商品の内5.6%しかない。
ヒット商品が売れなくなる理由として、もっとも多いのが低価格品の登場である。価格競争では、スケールメリットを出せない小さな会社に勝ち目はない。
プロダクトライフサイクルは、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」に分けられる。
小さな会社は、自社商品と近似するカテゴリーの導入期には市場参入せず、成長期に入ってから参入した方が、楽に売上を獲得できる。導入期は多大なプロモーション費用が掛かり、売上が読めないからだ。
また成熟期には価格で競わず、付加価値によって差別化をはかり、ターゲットを絞り込む戦略が望ましい。
リアル店舗だと不本意に価格競争に巻き込まれたり、小売店や問屋から広告宣伝を求められ、大きな費用が発生する場合がある。
その点ダイレクトマーケティングは、ターゲットをセグメントして直接付加価値を訴求できるため、価格競争に巻き込まれにくい。
ダイレクトマーケティングと小さな会社は相性がいい。
posted by 難波治彦 at 22:04| Comment(0)
| コラム