
商品には寿命がある。大量の注文書でFAX機が悲鳴を上げる商品であっても、いずれは市場から退場する時がくる。
商品が市場に登場し、撤退するまでの「プロダクトライフサイクル」は、著しく短くなっている。
中小企業庁によると、1970年代はヒット商品の約6割が、5年以上企業に利益をもたらしていた。
ちなみに当時のヒット商品には、日清食品の「カップヌードル」やソニーの「ウォークマン(カセットテープ)」がある。
しかし2000年代になると、5年以上市場に君臨する商品はヒット商品の内5.6%しかない。
ヒット商品が売れなくなる理由として、もっとも多いのが低価格品の登場である。価格競争では、スケールメリットを出せない小さな会社に勝ち目はない。
プロダクトライフサイクルは、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」に分けられる。
小さな会社は、自社商品と近似するカテゴリーの導入期には市場参入せず、成長期に入ってから参入した方が、楽に売上を獲得できる。導入期は多大なプロモーション費用が掛かり、売上が読めないからだ。
また成熟期には価格で競わず、付加価値によって差別化をはかり、ターゲットを絞り込む戦略が望ましい。
リアル店舗だと不本意に価格競争に巻き込まれたり、小売店や問屋から広告宣伝を求められ、大きな費用が発生する場合がある。
その点ダイレクトマーケティングは、ターゲットをセグメントして直接付加価値を訴求できるため、価格競争に巻き込まれにくい。
ダイレクトマーケティングと小さな会社は相性がいい。
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